- コム・オンボ神殿
- 列柱室
- セベク神とホルス神
- 出産のレリーフ
- 医療器具のレリーフ、ホルスの目
- 古代エジプトカレンダー
- クロコダイル博物館
色々ありましたが無事に高速道路にのり、アスワンへと向かう途中のコム・オンボ神殿にたどり着きました。この場所には元々来たいと思っていたのですが、電車でルクソールからアスワンへ向かうと、なかなかに寄るのが難しく、半ば諦めていたところです。しかし車での移動にしたため、訪れることができました!しかし時間はあまりなく、神殿の敷地の外で降り、社長ドライバーに、「じゃあ40分ね!ここで待ってるから!」ということでサクッと観光です。
お土産売りの子供2人につきまとわれながらチケット売り場にたどり着きました。子供たちは「チケット売り場はこっちだよー」と言いながらついてきて、「場所を教えたんだからバクシーシだよ」と、とってもしつこいんです。やっぱりかーー。チケット売り場ではカードで払ったのですが、財布を出すところもガン見してきます。ひったくられるんじゃないかとヒヤヒヤしていましたが、そこまではしないようです。キャッシュは無いんだと伝えても引き下がりません。見かねたのかチケット売り場のおじさんが何かを子供たちに伝え、やっとどこかへ行ってくれました。
入場料:240EGP(クロコダイルミュージアムも含む)
📍コム・オンボ神殿(メモ) https://maps.app.goo.gl/c45C36ZqJHnUfTLx7

建設:プトレマイオス朝時代のプトレマイオス6世(BC180-145年)治世に開始、主な増築はあの有名なクレオパトラの父であるプトレマイオス12世(BC80-51年)によって行われ、内側と外側の多柱式の広間が建設された。完成したのはローマ皇帝アウグストゥスの時代(BC27-14年)とされているが、一説ではその後のカラカラ帝(198-217年)まで増築されたとされている。
主神:ハヤブサの大ホルスのホルス神(ギリシャ語でハロエリス神)とワニのセベク神。
通常一つの神殿に一つの神が一般的だが2体が同等の立場にあるという珍しいスタイル。二神に捧げられたため入り口から至聖所まで、二等分された鏡写しになったような二重構造をしている非常に珍しい神殿。正面から見て左側がホルス神の神殿。右側がセベク神の神殿。
古代エジプトの医療に関するレリーフが多く残る神殿として知られている。

📍列柱室

この列柱室はジョジョの奇妙な冒険の第3部でポルナレフがアヌビス神と戦う舞台となった場所ともされていて、ジョジョファンにとっては聖地となっています。ちなみに私もジョジョの奇妙な冒険はアニメだけ見ていますがとっても好きです!エジプトから帰ってきて、また第3部を見直しました(笑) エジプト編では敵の名前がエジプト神話に出てくる神々たちの名前なのもまたよかったです◎今まで見てきた神殿の中では比較的新しいためか、こちらの開花式パピルス柱の上部の装飾が凝っていてローマもしくはギリシャ風になっている気がします。

見上げると天井には、死者の守り神であるハゲワシのネクベト神の色彩画がしっかりと残っています。天井裏は直接日が当たらないため、とっても綺麗に色が残っていました。大きな翼を広げて飛んでいるようでかっこいいです。
📍セベク神とホルス神

今までにない二体の神が奉られている珍しい神殿です。

セベク神:ワニの頭部の神で、豊穣と力の象徴。ナイル川には当時たくさんのワニがいて、人々は敬意と畏れを示し、神格化したとされています。コム・オンボ神殿では聖なるワニを飼育し、ミイラにされたものがクロコダイル博物館に展示されています。ギリシャローマ時代までワニは崇拝されていたそうです。

ホルス神(ハロエリス神):ハヤブサの頭部を持ち、秩序や正義を司る、太陽と天空の神です。ホルス神の中でもコムオンボでは大ホルスと呼ばれています。セト神に傷つけられた目が回復した神話から治癒の神とも信じられていたそうです。この神殿のレリーフたちはやはり、今までのものよりかなり新しいのもあるせいか、お腹周りや膝、足首などの筋肉や骨っぽい感じも再現されている気がします。

このレリーフのクレオパトラは、プトレマイオス6世の妻であるクレオパトラ2世だとされています。あの有名な女王としてのクレオパトラ7世のご先祖(曾祖母らへん?)にあたる存在です。
📍出産のレリーフ

この神殿は座った女性が赤ちゃんを産んでいる出産のレリーフがあり、安産祈願で観光客が触っていくため黒くなっています(本来は遺跡に触れてはいけません)。このレリーフが有名なことは知っていたのですが、訪れたときは見つけることができず、このブログを書くために写真を見直して気づきました!なのでギリギリ見切れていない写真になります。

そのほかにもたくさんの神々が集まってプトレマイオスの戴冠の儀式?を行っています。右から三番目のライオンの頭をしたセクメト神は初めてお目にかかりました。
📍医療器具のレリーフ

コム・オンボ神殿ではこの古代の外科器具の精緻なレリーフが有名です。メス、鉗子、フック、かぎ針、のこぎりなどその他の器具が精密に刻まれており、王の儀式、もしくは手術用の器具ではないかとされています。古代エジプトの医学的知識を垣間見ることができる貴重なレリーフです。ここは単なる崇拝の神殿ではなく、ケガや病気の治癒を願う巡礼者が訪れていたのではないかとされています。健康は神の秩序の一部であり、治療は神の加護のもと行われる科学の聖域として機能し、知識は神聖なものと崇められてたそうです。

植物や蜂蜜を薬として使ったり、麻酔の役割としてお香を焚き、医療を行なっていたこと、また医者もそれぞれ専門医に分かれていたこと、医療器具も炙って使用していたことも分かっているそうです。紀元前とは思えません。古代エジプトの文明の発達はやはりすごすぎます。
古代エジプトではミイラづくりをしていたために、人体の解剖にも精通していたのではないかという説があり、実際にギザの大ピラミッド周辺の一般人用の墓からは骨折の治療をした遺体も発見されています。しかしコム・オンボ神殿の時代から見てもギザのピラミッドの歴史は約2000年前になります。
ギザのピラミッドなどに関する記事↓
写真左側の座った女性像はイシス神であり、出産の様子を提示しています。誕生レンガ、出産レンガと呼ばれる台のようなものにいうものに足を載せて座った状態で出産していたそうです。体の大きさから上が出産前、下が出産後ではないかとされています。
ちなみに古代エジプトでの妊娠の検査は、小麦と大麦に尿をかけて埋め、大麦が先に発芽すれば男子、小麦が先に発芽すれば女子が産まれるとされたそうです。かなりおまじない感がありますが、その後現代のアメリカの研究所で実験したところなんと70%で適中したそうです。妊娠中のホルモンの分泌物が関係しているんだとか、、古代エジプトの医療知識にあっぱれです。このころの日本は恐らく吉野ケ里遺跡などが見つかっている弥生時代となるので稲作、国づくりが始まったころとなります。記録として残されていないだけで実は医療を行っていた、、とかは無いですねさすがに。
📍ホルスの目

先ほどの写真から少しだけ左を見ると人の足の付近にホルスの目が描かれています。理由は、父オシリスの仇である弟セトとの戦いの際に目を失ったホルスですが、ハトホル女神もしくはトト神の治癒の力により再び目が見えるようになったという神話があり、「祝福、願い事、修復される」という意味が込められています。
ちなみにこの足だけ見切れて、膝をついている人物の上部のレリーフは切り取られてしまっているのですが、イムホテプと呼ばれる人物です。

第3王朝(BC2686-2649年頃)のファラオのジェセルに仕えた高級神官だと言われています。史上初のジェセル王のピラミッドを設計した建築家でもあり、内科医としても優れていたため、死後何世紀にもわたり崇拝され、BC525年にエジプトのパンテオン神殿で正式に神として認められたそうです。とりあえずものすごい切れ者だったようですね。
📍古代エジプトのカレンダー

コム・オンボ神殿でもう一つ有名なレリーフとしてカレンダーがあります。年月を示しているというよりかは宗教祭礼の日付や儀式を表した暦のレリーフです。

古代エジプトの暦メモ
・1ヶ月は30日(新月から新月)、1年は4ヶ月×3つの季節、12か月で360日+聖なる5日の365日。
・1年を3つの季節「アケト:増水季:8-11月頃」「ペレト:播種季:12-3月頃」、「シェムウ:収穫期:4-7月頃」に分けていた。
・ナイル川の増水と星を読んで暦を作っていた。

カレンダーには宗教的な祝祭日や重要な儀式の日が示されており、古代エジプト人が農業や宗教生活において天文学的な知識をどのように活用していたかを理解する手がかりとなっています。

右側に日付、左側に捧げた供物(捧げる予定の供物だったかも)を神官が記録していたそうです。供物の解読はちょっと難易度が高めでした。それにしても現在のカレンダーもエジプトにルーツがあることにも驚きで、天体や川という自然の物から時の概念を形にして、それを儀式化して活用していたとは、エジプト人は未来人か何かだったのかと思うほどです。
📍大量のアンクが描かれたレリーフ

神殿の主要なレリーフを堪能し、付属しているクロコダイル博物館へと向かう途中に大量に描かれたアンクの壁画があったのでここで消化したいと思います。

意味: 生命、生きる、永遠の生命、不死。
形: 上部に輪(ループ)がつくT字型。ファラオの権力と関連付けられます。
別名: エジプト十字。神々が神聖な生命の贈り物を授ける際に、指先でアンクの形を示す描写がよく見られます。死後の世界(オシリスの国)へのアクセス、永遠の幸福の象徴として、人々がお守りとして身につけました。
コム・オンボ神殿が医療と密接した関係だからなのか、こんなに大量に描かれているのはびっくりしました。
神殿でレリーフ探したりしている時間も長かったのであっという間に制限時間の40分が経とうとしていたのでトイレとクロコダイル博物館へと急ぎます。
📍クロコダイル博物館 https://maps.app.goo.gl/ngEp1UR729NpujfbA

コム・オンボ神殿には池の跡があり、ワニはセベク神の聖獣として飼育され、 死後にミイラとされたそうです。ぐるぐる巻きにされたワニのミイラたちはなかなかにシュールでしたが、動物に敬意をこめて大切にしていたというのは素敵だと思います。

ちなみに本当に時間が無かったので博物館はかなり早足でまわりました。これらもワニのミイラなのですが、超絶眩しい外から暗めの博物館に入ってきたので、入り口すぐは目が慣れず、このずらっと並ぶミイラたちに全く気付きませんでした。目が慣れたころに写真を撮ったので後ろから(笑) そんなことある?という感じですが(笑)

ダハムシャというところのセベク神殿に建てられていた石碑です。

こちらも墓石の様な石の塊、上にはワニがのっています。恰幅の良さそうなワニ、恐らくかなり大きかったのだろうと思います。
この博物館はワンフロアの小規模な博物館でした。本当に時間がなくトイレを探すためだけに入ったと言っても過言ではないのですが、意外とちゃっかり写真を撮りました。ちなみにトイレは博物館を出たところにあり、入ろうとするとおじさんが掃除したふりをしてバクシーシ、チップを狙ってきます。が、我々はほんっとうに急いでたので走ってトイレに入ったため掃除する間も与えず利用。
限られた時間でしたがアスワンに行く途中にコム・オンボ神殿に来れただけでもかなりありがたかったです。メインどころのレリーフも見ることができ、古代エジプトの医療や暦に関する歴史にも知ることができました。繰り返しますが本当に古代エジプトの技術の高さや知識の深さに驚きしかありません。と同時に優れた文明はそれ以上発展していないように見えるエジプトにもまた愛着が湧きます。
ということでコム・オンボ神殿とクロコダイル博物館についてでした。車に戻り、アスワンへと向かいます。